論理やデータしか見ない男

偏差値が高い理系脳

「エビデンスはあるのか」
「数字しか信じない」

 

というスタンスの人がいる。なんでも数値化して判断する人だから、論理的で「できる大人」という感じがする。確かに「数字」を使えば説得力が格段にアップする。知的でかっこいい「理系脳」だ。

逆に、文系の感覚やセンスというのは、人によって感性が違うので、説得力に欠けるし、理解されにくい。「美しい」「感動」「場の空気」というのは数字では表せない。

 

例えば、男性ばかりの席に女性が1人加わっただけで、場の空気がぱっと明るくなり、華やかになることがある。こういうのは数値化する事ができない。

しかし、人を説得する点において、文系脳と理系脳で競い合えば、理系脳に軍配が上がる。今の社会は数字やエビデンスを求める傾向が強いので理系脳が有利だ。

 

あなたも理系脳になりたいと思ったことはないだろうか。

私は文系脳なので、おもいっきり理系脳に憧れていたし、理系脳になろうとして「根拠はあるのか?あるなら数字で出せ」なんて言ったこともある。

そんなかっこいい理系脳には6つの特徴がある。

 

1:不確実性の耐性が低い
感覚や直感よりも、確実性・再現性のある情報を好む。

2:コントロール欲求が高い
感情や主観に左右されることを避け、論理や数値で世界を把握したいと思っている。

3:リスク回避志向
感覚的な判断より、統計や実績に基づく「安全な選択」を好む。

4:意思決定に根拠を求める
「なぜ、それが正しいのか」「どのくらい効果があるのか」を数値で説明されることを重視。

5:主観的な話に懐疑的
「みんなそう言っている」「なんとなく良さそう」といった言説には納得しずらい。

6:データやグラフを好む
視覚的に整理された情報(表、グラフ、統計)を信頼しやすい。

 

理系脳は、コンサル系や会計・金融係に多いような印象で、メガネを掛けてキリッとした印象。給料は平均よりも高め。価値観としては「サイエンス」に分類される人だ。

たしかに数字は大事だ。数字を無視しろとは言わない。SoftBankの孫正義氏も「数字で表せ」「数値化しろ」と言っている。

数字を全く無視して、直感だけでいけるほど、世の中は甘くない。もしそれで当たったなら、たまたまのまぐれ当たりだ。

 

ただし、「数字だけ」になると危険信号。そういう人は、新しい商品やサービスを生み出すことはできない。いつも誰かの二番煎じだ。

「数字で語ることが出来る」「数値化出来る」というのは、つまり、誰がやっても同じ結果になるということ。行き着く先はコモディティ化だ。

なぜ、「サイエンス」の人は、新商品や新サービスを生み出すことが出来ないのかと言うと、新商品、新サービスというのは、まだ数値化されていないからだ。ゼロからイチを生み出すには「サイエンス」ではなく「アート」が重要になる。

 

理系脳が一番になれない理由

 

例えば「ウォークマン」を見てみよう。

1979年に発売されたウォークマンは「音楽を持ち運ぶ」というのがコンセプト。

 

当時、SONYの名誉会長だった井深大氏が「海外出張の際、機内で音楽を聴くための小型で高品質のカセットプレイヤーがほしい」と言ったのがきっかけだ。開発部門が限定の特注品として作ったところ、創業経営者の盛田昭夫氏も気に入り商品化が決まった。

しかし、現場の人間は猛反発した。

市場調査の結果から、「大きなスピーカー」「ラジオを録音する」という2つの機能が、顧客から求められている事がわかっていたので、スピーカーも録音機能もないカセットプレイヤーが売れるわけがない。と論理的かつ理性的に反発した。

 

結果はご存知のように、「大きなスピーカーもない」「録音機能もない」カセットプレイヤーが全世界で大ヒット。SONYの代名詞と言える商品になった。

 

顧客が今求めている商品を作るのではなく、顧客を魅了する新しい商品を創り出した事例。

 

もし、井深大氏や盛田昭夫氏が数字しか信用しないガチガチの理系脳ならウォークマンは存在しなかった。あの偉大な2人は理系脳だけでなく「直感」や「感性」などの「アート」と呼ばれる文系脳も、ずば抜けて高かったからだ。

 

売れない理由を論理的に説明される大反対の中、直感や感性で突き進んでいく姿勢はまさに芸術家だ。ある意味、革命家かもしれない。世の中にないものを創造するというのは、理系脳からは絶対に生み出せない。

 

なぜなら、「サイエンス」に価値観を重んじる理系脳は、論理や分析が得意分野であり、誰かの成功パターンを説明するのが得意なだけだからだ。うまくいった理由、うまくいかない理由を、後からもっともらしく解説しているだけ。机上の理論を述べるだけの評論家や批判家に似ているのかもしれない。

 

私も経験がある。

2006年頃「太陽光発電は訪問販売でしか売れない」と言われていた。そんな中、チラシ広告で太陽光発電を売ろうとしていたから、「なぜ広告で売れないか」を論理的に説明されていたし、売れない理由なんて山程でてくる。

道なき道を歩く時は理系脳じゃ無理だろう。だってデータにないし、数値化できない。なにせ成功データがないから「失敗する」しか道がない。こういう時の理系脳は駄目だ。役に立たない。

直感を信じて突き進む、ある意味、無謀とも言えるアホな文系脳が必要だ。その後、失敗か成功かを判断して、軌道修正する理系脳が必要になるが、最初の一歩を踏み出すのは理系脳ではなく文系脳だ。

 

顧客を分析するには理系脳が向いている。
ただ、顧客を魅了するには文系脳が必要だ。

 

例えば、世界を変えた商品・サービスの代表例が
iPhone、ディズニー、スター・ウォーズ、ビートルズ、鉄腕アトム、ドラゴンボール、ジョジョの奇妙な冒険…等々

今までにない新しいものを創造する場合、サイエンス(理系脳)だけでは駄目だ。アート(文系脳)が必要になる。

 

ちなみに、感情や「アート」が低い人の特徴は4つがある。

  1. 第一印象は冷たい人。あまり笑顔を見せない。

  2. 失敗を恐れるので新しいことに挑戦しない。「とにかくやってみる」ができない。

  3. 人をコントロールして支配下に置きたいと思っている。そして、人に任せることが苦手。

  4. 話が面白くない。うんちくを語るけど、笑えないし、つまらない。

 

AIに食われる理系脳

 

理系脳は分析や論理が得意で数字が大好きだ。なぜなら、数字は再現性があり比較的簡単な領域だからだ。

例えば、マズローの5段階欲求があるが、生存欲求や安全欲求などの下の欲求は死亡率や寿命などは数値化しやすい反面、自己実現欲求などの上位の欲求は数値化しにくい。自己実現の度合いなんて数値化できない。

 

「数値化できる」というのは、統計の基礎的な知識やスキルがあれば、誰がやっても同じ。数字に得意な人が他の人より早く解けるというだけのこと。

 

しかし、これからは違う。
数字や分析は、AIのほうが圧倒的に有利だ。しかも安い。

 

実際、AIに仕事を奪われる職業の多くが、ホワイトカラーと呼ばれる知識労働者だ。海外では、ホワイトカラーの大規模なリストラや、新卒の就職先がないという話がよくニュースで流れている。

 

今後、分析や論理だけの理系脳は駄目だ。文系脳のアートが必要だ。
濃い個性が必要。独自性がないとAIに食われる時代が来た。

顧客を魅了するには、サイエンスの領域にいては駄目だ。サイエンスは今ある問題を解決するにはいいかもしれないが、魅了することができない。

そのためには感性や直感と呼ばれる別のスキル「アート」が必要だ。

 

こんなことやったらワクワクするよね。
これ面白そう!

 

AIに負けない新しい発想や独創的なアイデアが欲しいなら、感情や心に目を向けよう。だって、人は感情で商品を買って、理屈で正当化する生き物だ。まず一番初めに来るのが心だ。感情だ。

 

数字やデータしか信じないという人はなんでも二番煎じだ。
誰かが作った道しか歩けない腑抜けだ。

 

そういう人がトップや上司になると最悪。サイエンスが強い分、理屈や理論が得意だから「確実に成功しないならやるな」とストップがかかるし、間違った道でも「俺は正しいからやれ」と言って人のアドバイスを聞かない。ほんと話が通じない人が多い。

こういう人は二番手が最適なポジションなのだ。

 

アートな感性で突き進むアホな文系を
サイエンスの理系バカが理論や数値で補佐する。

こういうコンビが最強だ。

 

数値しか信じないという狭い領域でしか物事を見ない人は、IT系やコンサル系に多いというか、コンサルをかじっている人、知識ばっかりで頭でっかちな人に多い。

こういう人を、私は「理系バカ」と呼んでいる。特にプライドが高い奴ほど大変だ。本当に人の話を聞かないし、実行しない。つまり、今までの常識(数値がある世界)から抜け出そうとしない。

 

今までにないものを創るって、基本的には非常識なこと。だから、偉業を成し遂げた人というのは、アートとサイエンスの両方から世界を見ることが出来る人だ。

これからのAI時代には、アートとサイエンスを融合している人が、新時代を切り開いていけるリーダーの性質なのかもしれない。

 

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